腎・泌尿器センター

ごあいさつ

診療科の垣根を越え、質の高い医療を提供しています

平成11年11月より大分赤十字病院に肝胆膵センターが設立されて24年が過ぎました。治療が困難な疾患が多い肝胆膵領域の悪性疾患に対し、総合力で対応する為、内科、外科、放射線科、病理等の関連した専門領域の医師が各科の垣根を越えて診療に協力し質の高い医療を提供しています。膵切除と肝切除の手術数は毎年100例以上のハイボリュームセンターとなり手術症例数は累計で2,400例を超えており当院における最も診療実績の高い専門疾患センターです。

医療機関の認定

日本肝胆膵外科学会高度技能医修練認定施設A(高度技能指導医2名、専門医3名)
日本肝臓学会認定施設(日本肝臓学会 専門医7名(指導医3名))
日本膵臓学会認定施設(日本膵臓学会 指導医2名)
日本胆道学会認定施設(日本胆道学会 指導医2名)
日本内視鏡外科学会技術認定医(肝臓1名)
腹腔鏡下膵切除(膵頭十二指腸切除(大分県では当院のみ)、膵体尾部切除)、腹腔鏡下系統的肝切除の実施における施設基準取得

診療内容・特色

施設認定としては日本肝臓学会認定施設、日本膵臓学会認定施設となっていますし、日本肝胆膵外科学会の高度技能医修練認定施設A(指導医:福澤、山下、専門医:岩城、多田)に認定されています。これは現在全国で139施設、九州で17施設しか認定されていない肝胆膵外科手術の高度専門治療施設で大分県内では当院と大学病院のみが認定されています。修練施設での研修後に受験可能である肝胆膵外科学会高度技能専門医試験にはこれまで5名が合格しています。今年度は4月に山下(元熊本大学消化器外科 准教授)が赴任し、高度技能指導医・専門医が5人とこれまでで最も充実したスタッフとなっております。日本内視鏡外科学会技術認定は肝切除領域(昨年迄に全国で114名が認定、合格率23%)で福澤が取得しています。現在肝切除は腹腔鏡手術が中心(70%以上)となっています。腹腔鏡下膵頭十二指腸切除は施設基準が厳しく県内では当院のみが施行可能です。手術侵襲が少なく低悪性度の膵頭部領域癌にはとても良い適応と考えており、これまでに72例施行しています。現在膵癌に対しては術前化学療法を加えることが標準となってきており、これに伴いダウンステージングされた症例では膵癌においても今後鏡視下膵切除の適応が更に増加してくるものと考えています。

肝細胞癌は原因の第一位であったC型肝炎が治癒できる時代となり減少しています、原因疾患も脂肪肝やアルコール性肝疾患からの発癌が多くなってきました。治療においては一つの治療手段に固執せずその患者さんの状況に応じた最善の治療をキャンサーボードで決めています。手術やRFAといった局所療法の重要性は変わりませんが、全身療法(アテゾリズマブ+ベバシズマブ、レンバチニブ、デュルバルマブ、トレメリムバムなど)で再発進行症例の病勢コントロールが格段に良くなっています。これまで早期再発の多かった切除境界域にあたる肝細胞癌に対しては膵癌同様に術前化学療法の導入による治療成績の向上が期待されており今後症例を集積し評価していきたいと考えております。

現在膵・胆道疾患の内科部門では、本村部長を中心にERCP、Double balloon ERCP、EST、EUS、POCSなどを駆使して精度の高い膵胆道疾患の診断と内視鏡治療にあたっています。肝臓内科疾患は成田部長を中心に診療しており、早期肝癌の経皮的焼灼療法や肝炎の抗ウイルス療法、その他の慢性肝疾患等を担当しています。放射線科部門では、山田放射線科部門長を中心にMDCT、MRI、Angio等を駆使した優れた診断と各種IVR治療、放射線治療を行っており、その診断能力の高さと緊急時のIVR対応は当センターには必須な存在です。外科部門は、高度技能指導医・専門医で5人という極めて層の厚いスタッフで肝胆膵の悪性腫瘍の外科的切除を高いレベルで実践しています。肝切除や膵切除等の主要手術数は、昨年は115例でこのうち肝胆膵外科学会の高難度手術に相当する手術数は89例でした。大分県内では1位の手術数であり、九州内でも上位です。