チーム医療への参画
ICT
大分赤十字病院における感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)は医師、看護師、臨床検査技師および薬剤師から構成されています。それぞれの職種が専門性を発揮し、チーム医療に貢献しています。週に1回メンバーが集まり、カンファレンス及びラウンドを実施しています。薬剤師は、抗菌薬の使用状況の把握や適正化を中心に、他職種とディスカッションを行っています。
(文責 後藤)
AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
近年、不適切な抗菌薬の使用による耐性菌の発生が問題となっており、抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)による積極的な活動が求められています。当院ASTは医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師から構成され、薬剤師が専従を務めています。早期に感染症患者を把握し、個々の患者に対して最大限の治療効果を導き、副作用をできるだけ最小限にとどめ、いち早く感染症治療が完了できるように支援を行っています。
(文責 安東)
NST
大分赤十字病院における栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)は、平成17年12月に発足しました。医師をはじめ薬剤師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士および臨床検査技師など総勢60名が所属しています。それぞれが専門性を発揮し、チーム医療の充実を図っています。主な活動としては、入院患者の栄養評価を行い、適切な栄養管理が行われているかをチェックし、最も相応しい栄養管理法の指導・提言を行うことです。また、週に一度のカンファレンスおよびラウンドを通して、より良い活動を目指しています。
薬剤師は、輸液や経腸栄養など医薬品に関する分野において、処方内容および管理法などに問題がないかをチェックしています。
(文責 山出)
緩和ケアチーム
大分赤十字病院は「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けており、がん患者さんのケアに特に力を入れています。その中で緩和ケアチームは、がん患者さんの抱える様々な症状(疼痛、不安や不眠などの精神症状など)に対して、チームで対応策を検討し主治医に提案を行っています。
チームには医師、看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW:Medical Social Worker)など多くの職種が参加しており、薬剤師もチームの一員として主に薬物療法の観点から個々の患者さんの病態や状態を考慮した処方提案(オピオイドの選択、鎮痛補助薬、抗不安薬、投与経路の変更など)を行っています。
(文責 久枝)
褥瘡対策チーム
大分赤十字病院における褥瘡対策チームは、医師、皮膚・排泄ケア認定看護師をはじめ、薬剤師、看護師、管理栄養士、理学療法士および医療事務から構成されています。週1回の回診と、月1回の委員会活動を継続的に行い、それぞれが専門的な立場から意見交換し、患者さんにとってより良いケアへと繋がるよう努めています。
薬剤師は、創傷被覆材や軟膏類の医薬品管理から配合変化などの情報提供を行い、軟膏類混合の調剤なども行います。さらに、患者さんの状態に応じて褥瘡の発症リスクに影響を与えうる薬剤の使用状況をチェックし、薬剤滞留の有無を評価するなどの薬学的管理を行います。
(文責 河村)
高齢者サポートチーム
日本は超高齢社会であり、急性期病院の当院でも認知症を患う高齢者が入院となるケースが増加しています。認知症でなくとも高齢者は病状や、入院による不安などからせん妄が起こりやすい状態にあります。当院の高齢者サポートチームは、医師、看護師、社会福祉士、薬剤師、理学療法士、管理栄養士から構成され、高齢の患者さんや、認知機能が低下している患者さんが、入院後も安心して過ごせるように、支援しています。
(文責 安部)
がん化学療法
近年、がん化学療法は高度・複雑化しており薬剤師の積極的な関与が求められている分野です。当院ではがん化学療法における薬剤師の取り組みとして、下記の項目があります。
- 安全キャビネットを用いた抗がん剤調製の実施
- レジメン管理(抗がん剤投与量、制吐剤や輸液の処方チェック)
- 抗がん剤治療を受けている入院患者さんの副作用モニタリングおよび副作用に対する医師への処方提案
- 病棟看護師向けのレジメン勉強会の開催
- 患者さん向けの勉強会(主に副作用対策に関して)の開催
- 薬剤師外来による外来患者さんのfollow及び地域薬局への情報提供を通じた薬薬連携(令和6年度中に実施予定)
いずれも適正かつ安全に化学療法が施工されるために薬剤師の関わりが求められている業務であり、患者さんが安心して化学療法を受けることができるよう医師、看護師と連携して取り組んでいます。
(文責 久枝)
糖尿病教室
糖尿病教室は、病棟のデイルームで平日の午後1時半から1時間、入院患者さんを対象に行われています。医師、看護師、管理栄養士、検査技師、歯科衛生士などとの多職種で運営しており、2週間で講義を一巡します。糖尿病療養指導士の認定を持つ薬剤師は、そのうちの1日「薬物療法について」を担当します。
近年、糖尿病の薬物療法は飲み薬も注射薬も種類が増え、進歩を続けています。患者さんがご自身の薬についてよりよく理解され、糖尿病という病気についての知識も深まるような講義を心がけています。
(文責 河村)
腎臓病教室
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)対策は、透析導入までの時期を遅らせて透析患者を減少させるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの発症および脂肪リスクも減少させることが報告されています。
大分赤十字病院では、医師、看護師、管理栄養士、MSWらとともに、CKDの早期発見と患者教育を目的として、平成19年10月より、外来患者およびその家族を対象に腎臓病教室を開催しています。その中で薬剤師は、CKDで使用される医薬品だけでなく、腎障害を起こしやすい薬剤、腎機能への影響が懸念される市販薬や健康食品について講義を担当しています。
この教室は、予約せずにどなたでも参加できますので、お気軽にご参加ください。
(文責 岩崎)