大分赤十字病院では、「理念・基本方針と患者の皆様の権利等」に則った診療を実施しており、個人情報を保護することは非常に重要であると考えています。一方、当院は、厚生労働省認定の臨床研修病院、教育実習病院として、安全で質の高い医療を提供できる心豊かな医療人の育成も行っています。さらに、これからの医学進歩に貢献するための医学研究・後進教育・手術を含めた診療手技の向上は必要不可欠なものだと考えております。
このような役割を確実に円滑にすすめるために、当院では、個別に正式な書面で同意をいただく診療・教育・研究（個別同意）、一定の基準のもとにそのような手続きを経ないでHPや院内掲示などへの掲載による告知により実施する診療・教育・研究（包括同意）に分けて対応しています。各項目の包括同意に関しての同意撤回は、ご本人からのお申し出により、診療などに支障のない合理的な期間及び範囲内で撤回が可能です。なお、包括同意への意思表示の内容は、当院で受ける診療に一切影響を与えるものではありません。
次に包括同意についてご説明いたしますので、患者の皆様には、当院の診療・教育・研究の役割にご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

現在、当院が提供している治療は、現時点でもっとも良いと科学的に評価されうる治療法が中心になっています。医療・医学は、先人達が経験・工夫・研究を積み重ねることによって進歩を続けてきました。そのため、新しい治療法や診断法などを開発する研究及び後進教育を含めた医学の発展には、患者の皆様から得られる情報が不可欠です。当院でも、診療を行うとともに医学の発展に寄与するように研究・教育を行っており、その際には、診療に伴って発生する診療情報・試料等を利用することが必要な場合があります。

病院で診療を受けますと、診療情報として、診療録（カルテ）、画像検査（レントゲン・超音波・内視鏡・PET・CT・MRIなど）、生理機能検査（心電図、各種超音波検査、聴力検査、平衡機能検査、呼吸機能検査など）、血液や尿などの検査試料、診断のための生検（内視鏡検査などの際に組織の一部を採取すること）試料、手術で切除した組織（遺伝子・タンパク質などの発現）、写真、手術動画などが集められます。これらは、診療に必要なものとして、厳重に保管されています。その後、診療上不必要となった場合でも、医学研究・教育のための大切な試料となります。
当院では、これらの診療情報・試料等を下記のような目的として共有使用することがあります。

当院では、すべての患者の皆様にこれらの診療情報・試料等のご提供をお願いしています。研究への診療情報・試料等の提供は、自由意思によります。原則として、不同意の意思表示がない場合は、同意を頂いたものとみなして研究・教育・共同利用に使用させていただきます。

研究などへの診療情報・試料等の提供によって、患者の皆様に直接の危険性が及ぶことはありません。しかし、万が一個人情報等が漏れてしまった場合、患者の皆様が不利益を被る可能性があります。このため、当院では考え得る危険性を避けるため、厳重な機密保持の方策を採っています。診療情報・試料等は匿名化して扱いますので、研究責任者および関係者以外は、患者の皆様の氏名等と結びつけることはできません。
また、これらの資料や成果を学会・研究会や科学専門誌などに発表する場合にも個人が特定されることはありません。